ここ10年以上、本を年に1冊読んだかどうかという私でしたが、とあるブログで紹介されていたので興味を持って、『風の中のマリア』という本を読みました。主人公マリアの生き様に大きな衝撃を受けました。
マリアはオオスズメバチのワーカー(働きバチ)です。帝国の戦士として戦い続けたマリアの短い生涯を通して、虫たちの過酷な世界が描き出されます。オオスズメバチは最強の部類ではあるものの、鳥や、オニヤンマなどの大型の昆虫の脅威、悪天候、その他思わぬアクシデントにより、命を落とすことも少なくありません。それらを回避できても、羽化後のワーカーの寿命はたったの30日程度だということです。
この本を読むと、オオスズメバチの生態についてだいぶ詳しくなります。
昨年、うちの庭でオオスズメバチの女王が3頭、命を落としました。スズメバチトラップにかかったのです。
![]() |
ヒメコブシに設置したスズメバチトラップ(2024年5月) |
この年、トラップにかかったスズメバチは15頭以上。オオスズメバチのほかは、コガタスズメバチ多数と、モンスズメバチ数頭。トラップは毎年設置していますが、2024年は捕獲頭数が特に多かった。
![]() |
1つめのトラップにかかったハチたち |
![]() |
ひときわ大きいこれらがオオスズメバチの女王でしょう |
本を読んだ今では、厳しい冬を生き抜いて次世代を築こうとした矢先にこのような非業の死を遂げた女王蜂のことを思うと、心が痛みます。
しかしスズメバチの危険性を考えると、やはり家の近辺に巣を作られては困ります。通行人がハチに刺されでもしたら、責任問題になりかねない。
オオスズメバチは主に土手などの土の中や、木の根元の空洞、伐採枝を積んだ場所などに巣を作るようなので、住宅地にはあまり縁がない気もします。うちに来た女王は、獲物か巣材を探していたのか、栄養(樹液など)を求めていたのか? 巣を作らない女王もいるそうです。交尾できないまま越冬したものたち。
うちに来た中には、そういうのも混ざっていたのかも。巣を作らない女王は単独で樹液などを舐めて暮らし、単独のまま死んでいきます。
マリアたちの物語を読んだので、スズメバチを応援したい気持ちが生まれました。スズメバチのワーカーは大量の虫を狩ってくれるので、その面では益虫でもあります。
でもやっぱり怖いから…。トラップは今後も毎年かけますよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿